Moisture~生命のはじまり

シェーグレン症候群の仲間 すずらん のページへ ようこそ

ホーム > 学びあれこれ

 

 

学びあれこれ

現在、作業中です・・・

口の中が乾くことの本当のつらさは、実際に体験してみないと分かりません。ドライマウスは:

  • ・ 舌や粘膜が痛み、熱いお茶が飲めない・しょうゆが染みる
  • ・ パン・米飯など、食べ物を飲み込むことができない
  • ・ 上下の唇がくっついてしまい、水なしでは話しづらい
  • ・ 口臭が恥ずかしくて、人と話すのがつらい
  • ・ 耳下腺が腫れて、痛い


などなど、私たちの生活に、大きな支障と精神的ストレスをもたらします。しかしドライマウスが私たちにもたらす弊害は、単なる生活の質の低下や、精神的な苦しさだけにとどまりません。

 

医師・歯科医師からは、ドライマウス対策の指導として「よく歯を磨きましょう」と言われます。 ドライマウスによる唾液の減少は、口腔粘膜の発赤と腫れ、味覚の異常、舌のつらい痛みをもたらすだけではなく、結果的に口腔内細菌を増やし、歯と歯肉の健康をも著しく損ないます。
 むし歯も歯周病も、口の中の感染症です。どちらもQOL(Quality of Life)に直結しますし、特に歯周病のもたらす害は、歯と歯肉だけの問題にとどまりません。歯周病菌や、歯周病菌が出す毒素が血液に乗って全身に回り、さまざまな病気を悪化させたり引き起こすことが、分かってきています。例えば、動脈硬化(脳梗塞・心筋梗塞・胃潰瘍・糖尿病・骨粗鬆症・風邪やインフルエンザ・誤嚥性肺炎・歯周病原性感染症などなど・・・です。
 近年「歯は、単なる口の中の一パーツなどではなく、一つの臓器に匹敵するものだ」と、認識されてきています。口の中を清潔に保つ口腔内ケアは、QOLの改善・向上と全身の健康に直結します。
 ところが現実には、健康な人々でも、歯や歯肉のトラブルで悩む人が後を絶ちません。一般の、唾液が普通にきちんと出る人々よりも、なお一層むし歯・歯周病などのリスクが高いドライマウス患者が、今よりももっとQOLを向上させるには:

  • ・ 薬を服用し
  • ・ 頻繁に水を飲んで口を潤し
  • ・ ジェルを塗り
  • ・ 耳下腺周りをマッサージし
  • ・ 筋機能療法を日々、習慣化し
  • ・ 糖分が含まれていないアメやガムで、唾液腺を刺激する


ことに加えて、注意深い口腔ケアの実践が必要ではないかな、と常々感じていました。口腔ケアは、今まで軽視され過ぎてきたかもしれません。
 にもかかわらず、日常の医療現場(病院や歯科医院など)で、専門家による口腔ケアの具体的な指導を受ける機会が少ないように思われます。

 

普段私たちは、唾液の量を量るか、むし歯の治療のために歯科を受診しています。もっと効果的な、歯科の活用の仕方があるかもしれません。
 皆さんは、毎日一生懸命に歯を磨いて、実際にむし歯は減りましたか? 歯周病はいかがでしょうか? 管理人は乱杭歯で歯並びが悪いためか、毎日自己流ながら懸命に努力して磨いても、まるでモグラたたきのようにむし歯が次々と顔を出して、お手上げになりました。

 

実際に歯学部附属病院に行ってみると、医学部同様、実にさまざまな専門分野に分かれていて、驚きました。普段私たちになじみのあるむし歯治療を担当する「保存科」、歯周病を治療する「歯周病科」、歯石・バイオフィルムを除去して歯のクリーニングを行いフッ化物(フッ素)の塗布を行う「予防歯科」などなど。

 

特に、予防歯科で施療されるPMCT(むし歯・歯周病予防に効果的な、歯のクリーニング。日常の歯磨きでは絶対に落とせないミクロレベルの汚れ・・・バイオフィルムを除去する)と、フッ化物の塗布は、私たち口腔乾燥症状に悩む者に、もっと知られてもいいと思います。

「新シェーグレン症候群ハンドブック(アメリカシェーグレン症候群協会編・日本シェーグレン症候群研究会世話人/金沢医科大学血液免疫内科訳・前田書店刊)」のP193にも:

歯のエナメルを救うために
・歯科医にフッ化物ニスを歯に塗るよう頼みましょう。
という一節が、記載されています。
 私たちが日ごろお世話になっている歯科口腔外科・耳鼻科の先生からも、もっと予防歯科に関するインフォメーションをいただければ、とても助かると思います。

 

現在、日本における予防歯科診療は、保険適用となっておりません。自由診療です。大体の相場として6,000円~1万円前後のようです。予防歯科専門医から「シェーグレン症候群の患者さんには、ぜひとも保険適用をすべきだ」という、強いご意見を頂きました。ぜひとも声を挙げていく必要があると思います。
 歯並びは1人1人まさに千差万別で、完ぺきに磨くのは至難の業。懸命な自助努力が、自己満足に終わることもしばしばです。口の中のメンテナンス(日常の歯磨き)を徹底的に指導する、フリーランスの歯科衛生士の先生もいらっしゃるほどです。もっと私たち患者が、口腔内清掃の専門家・歯科衛生士のサポートが受けられるならば、口の中のQOL(Quality of Life)は、今よりもっと高くなるのではないでしょうか。


★次のページへ★ ページトップ